清久山(せいきゅうざん) 565m【大東町】
 大東町の南西部にある山で、麓から仰ぐ姿はピラミッド型の美しい山です。
1717年に松江藩が編纂した「雲陽誌」には、清久山を『素戔鳴命暫し鎮座の山な
り長嶺崢エとして絶頂に登りがたし』と書かれるなど急峻な山です。

 山頂には一等三角点が設置されています。一等三角点は測量の定点とされる
もので、約45km間隔で全国に973箇所の標石が埋め込まれています。 現在では
測量技術が発達したために無用のものとなっていますが、一等三角点が設置さ
れた500m以上の山は、全国に500あるといわれ、 これらの山全てを踏破すると
いう人もあると聞きます。ちなみに大東町では、500mを越える山にある唯一の
一等三角点となっています。

 明治45年にモリブデン(輝水鉛鉱)が発見されて以来小規模ながら発掘が続
けられていましたが、昭和14年、清久鉱山会社によって本格的に採掘され、
日本一の採掘量となりましたが、外国産の鉱石に押されて現在は廃坑となって
しまいました。

 県道・玉湯吾妻山線を北東に分かれて車で5分程度走り、右折して川上橋を
渡り、さらに少し登りを200mほど走ると案内地図があり、4台程度の駐車場が
あります。

 麓を流れる阿用川上流の夏は、せせらぎの音に混じってカジカガエルの美し
い音色が迎えてくれます。前夜から幕営による滞在が可能ならば乱舞する蛍の
大群が幽玄の世界に誘ってくれます。

 登山道はマツくい虫被害で少し倒木などもありますが、地元の皆さんの手入
れで徐々に再生し、晩秋にはチャナメツムタケ(ナメタケの仲間でマツの腐木
の近くに発生する食用雑茸)やナラタケに出会えるかもしれません。登山口か
ら約50分で頂上に達します。

 水鉛の 掘り尽くされし 山青し
               
 稜歩
(大東町在住の有名な俳人・栗原稜歩が清久山を詠んだ句です)
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